【メルマガ】舟が音になった日、問いのリズムが聴こえてきた

最近、お世話になっているライフコーチが次々に絵本を生み出している。

どうやら肩書がさらに増えたようだ。

きっと私が一冊完成させる頃には、二十冊くらい制作しているかもしれない。

昔の私なら、そのスピードに焦っていた。

「私も頑張らなきゃ」って、筆を握る手が固まっていたと思う。

でも、今はちょっと違う。

私は私の舟に乗っている。

風の強さも、帆の大きさも違う舟。

ゆっくり進むこの舟で、今日は一枚、絵を描いた。

舟が二つ、海に浮かんでいる。

ひとつは遠くへ進んでいく舟。

もうひとつは静かに、波を見つめていた。

空に流れる雲を線でなぞったら、

その線が音符みたいになった。

不思議と、絵から音が聴こえた。

あぁ、私はこの速度で、

この感覚を拾うために舟を漕いでいたんだなって思った。

スピードの違う誰かと、

なぜか気が合うことがある。

きっと、それぞれ違う角度から、

同じ場所を見ているから。


Art sound journal

線と色をめぐる創作と対話のアーカイブ。 線画、絵本、言葉、そして日々の問いを通して、 「見る」と「描く」をもう一度ひらいていくブログです。