Kindle本出版しました。私の中の新人キュレーター

このたび、Kindleで電子書籍を出版しました。

タイトルは『The Cabinet of Lines(線のキャビネット)』です。

線で描いた作品を選び、それぞれに短い英語の言葉を添えました。

でも、ページをめくるたびに、小さな気配がふわっと立ち上がるような、

そんな感覚を目指しました。

描いた線がようやく形になって、少しだけ外に出ました。

「The Cabinet of Lines」=線の標本室。

ひとつひとつの線が、

そっと誰かの感覚と出会えたらうれしいです。

今回は英語バージョンです。

やっと本という形にして世の中に出せたことは感慨深いです。

その絵を届けること地道な作業。

絵を描くことと、それを誰かに届けることは、まったく別のステージにある。

そのことに、やっと気がついた気がします。

描くときは、内側と向き合っていればよかった。

けれど、届けようとすると、今度は外側との接点が必要になる。

だから、美術館には“キュレーター”という役割があるのだと、ふと腑に落ちました。

作品を「見せる」ためには、文脈をつくり、受け取りやすい形に編集する人が必要なんですね。

私の中のキュレーターはまだ新人で、手探りですが、今回の出版でその一歩を踏み出したような気がします。