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静けさと豊かさの共鳴――絵を描くということ

絵を描くという行為は、私にとって「今、この瞬間を生きる」ことそのものです。そして、今回新たに挑戦しているテーマが 「静けさと豊かさ」 という二つの対照的な感覚を一つの画面に表現すること。

静けさとは、単に音がない状態を指すものではありません。それは、外の世界の騒々しさに心を奪われず、自らの内面と向き合う時間や空間のことです。「いまここ」に意識を置き、過去や未来に囚われることなく、ただ存在する。その瞬間、私たちは自分の心の奥底で響く微かな声や感覚に気づくことができます。

一方で、「豊かさ」とは何かを考えるとき、それは単に物や華やかさを指すのではないと感じます。私にとっての豊かさは、「今、この瞬間にあるものを感じ、感謝できること」だと思うのです。絵を描くとき、鮮やかな色彩や花々の生命力を筆で表現していく過程そのものが、豊かさを体験する時間なのです。

福田平八郎さんの絵を観たあと、私はこの静けさと豊かさを同時に表現できたら、どんな絵になるだろう? と思いました。もしかすると、静けさは豊かさを引き立てる背景となり、豊かさは静けさの中でさらに輝くのではないか。二つの要素が互いを支え合い、一枚の絵の中に共存する――その可能性に心が動かされたのです。