【メルマガ】1分で無心。クロッキーは対象とのジャズセッション

クロッキーは線の散歩。対象に寄り添って歩けば、自然な形になる。

「クロッキーって何ですか?」 

フランス語で「素早く描く」という意味で、要は“速写”。

時間を区切って(1分とか3分とか)、目の前のものを一気に線で捉える練習です。

よく「基礎トレーニング」として扱われるけれど、

私にとってはもっと音楽に近い。

クロッキーはジャズのリズムみたいなもの。

完璧な楽譜に沿うクラシックとは違って、

その瞬間に生まれる線のリズムを楽しむ。

対象物とこちらの線が呼応する――まるでセッションです。

相手が出す空気に耳を澄ませ、こちらは線で即興的に返す。

だから「よく観察する」より「聴く」に近い。

完成度を目指す時間じゃなく、

その場の呼吸とリズムを紙に残す時間。

クロッキーをすると、線を引きながら自分の頭も空っぽになって、

ちょっとした即興演奏のようなスッキリ感があります。

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Art sound journal

線と色をめぐる創作と対話のアーカイブ。 線画、絵本、言葉、そして日々の問いを通して、 「見る」と「描く」をもう一度ひらいていくブログです。