《グルーヴとリズムの小話集》第7話:もう、鳴っている
最近、
「もう迷わない」
と言えそうになる瞬間がある。
でもその直後、
また普通に迷っている。
どっちも本当で、
どっちも嘘じゃない。
身体は先にリズムを知っていて、
私はあとから「あ、今そうだったんだ」と気づく。
理解は、いつもワンテンポ遅い。
暗い場所に入ったとき、
何も見えないはずなのに、
世界は意外と騒がしい。
呼吸の音、足音、気配。
見えない分だけ、拍がはっきりする。
正解がなくても、
案内図がなくても、
身体はちゃんと次の一歩を知っている。
私は今も、
線を引きながら、
色を置きながら、
ときどき叩きながら、
「これでいいのかな」と思っている。
たぶんそれでいい。
音は止まっていないし、
リズムもまだ続いている。
~END~
0コメント